(一般社団法人日本アイスクリーム協会)
2021年度は5,258億円(メーカー出荷ベース) 前年比101.2%
2021年の日本の平均気温の基準値(1991~2020年の30年平均値)からの偏差は+0.61℃で、1898年の統計開始以降、3番目に高い値となりました。日本の年平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇しており、長期的には100年あたり1.28℃の割合で上昇しています。特に1990年代以降、高温となる年が頻出しています。
気象庁は、2021年の日本の天候の主な特徴は以下のとおりであるとまとめています。
・気温の高い状態が続き、年平均気温は全国的に高く、特に北・西日本ではかなり高かった。
・8月中旬は東・西日本で記録的な大雨となった。
(2022年1月4日、気象庁報道発表資料より)
アイスクリーム市場規模は、2021年度5,258億円 過去最高となりました。
2011年度(4,058億円)以降、2018年度までの7年間市場拡大をしましたが、2019年度は天候不順の影響で前年割れ、2021年度は2020年度(5,197億円)を61億円上回りました。
2021年 | 2020年 | 前年差 | 前年比 | |
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販売金額(億円) | 5,258 | 5,197 | 61 | 101.2% |
販売物量(㎘) | 900,136 | 863,160 | 36,976 | 104.3% |
アイスクリーム業界は天候要因の占めるウェイトが大きいと言われますが、2021年7月の天気は、3年振りにやってきた“普通の夏”により、コロナ禍で人の動きの少ない夏であっても、販売が爆発しました。 しかしながら8月になると天候が悪化、それまでの好調な動きから一転、急ブレーキがかかることになりました。下期に入ると秋の平均気温は北・西日本で高く、日照時間は全国的に多くなったことで、売上は順調に推移しました。
2021年度は天候要因の他に、新型コロナウイルス感染症の影響が引き続きありました。既に2年以上続いて社会全体に暗い影を落とすマイナス要因となっており、景気動向の下振れと社会の不透明感に不安を持たざるを得ない状況が続いております。外食産業と関連が深い業務用商品は、2020年度前年比71%のダウンから2021年度は前年比120%と回復傾向を示しましたが、2019年度対比では前年比85%に留まりました。
この厳しい環境下にあって、2021年度のアイスクリーム業界の販売金額は5,258億円となり、過去最高を更新した状況です。コロナ禍の中、消費者行動の目まぐるしい変化に対応し、家庭内需要を引き上げ「巣ごもり需要」という形で、得た側面もありますが、会員各位が付加価値ある新商品の挑戦や、ここ数年SNSを活用した新たなマーケティング展開も功を奏した結果であると推察します。